地球上で最も高額な写真を観てきた【ANDREAS GURSKY】

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日曜だけど開館とともに行くと空いてた。午後から随分混んできてたみたい。

現在国立新美術館で開催中の展覧会「ANDREAS GURSKY」に行ってきた。展示室に入った途端鳥肌が止まらず、同行した友人と思わず無言の笑顔で「やったー!!」とアイコンタクトしてしまうほど。そのまま観終えるまで約90分、それほど大きくない展示室を行ったり来たりしながら作品に寄ったり離れてみたり、終始興奮したままなのでおそらく緩んだ表情は隠しきれてなかったと思う。

乃木坂方面に用事があったらついでに何度でも観に行きたいし、無くても少なくとももう二度三度観に行きたいレベルです。



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「撮影可」な大判ポスターと撮る人

写真スキーな友人と行ったので、もちろんそれに関する色んな議論も楽しかったんだけど、とにかくグルスキー体験は超絶エンターテイメント(写真の展覧会であると同時に、インスタレーションのような印象も受ける)なので、写真が好きとか嫌いとかアートとかデザインとかそういう枠越えて全員観に行きましょう。

作品がものすごくでかい

ポスターやチケットなど、展覧会のプロモーション用に各メディアで露出しまくってる《カミオカンデ》は現場で見ると228.2×367.2×6.2cm という訳のわからないデカさである。ヤバイ。お腹いっぱい。

そういうめちゃくちゃデカイものを至近距離で見ることってあまり無い。例えば海外で歩道のすぐ脇にH&M のクソデカイ広告(自動車のドライバー向け)とかがあって「ビヨンセでけ〜」って思ったりすることがある。本来自動車から見た時にちょうど良い大きさになるよう作られたポスターを超至近距離で見るから、そりゃデカイよね。日本ではあまりそういう光景は見ないけど。

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ビヨンセじゃないけどグラーツで見たドライバー向けの大きな看板。日本だと大きな広告ってもっと高い位置にあるよね。

何が言いたいかというと、通常僕らが認識してるコンテンツの大きさとその視認距離の関係性が、グルスキー展では完全に崩壊してる。10m離れて見るべきサイズのものを1mの位置から見る。最大で30cmくらいまで寄ることができる。加えて、寄った先には超高密度なディテールを見ることができる。

《カミオカンデ》自体は所謂彼が「ベッヒャー派」だと言うことを端的に表す作品で、その荘厳な美しさは凄まじい。大好き。どでかい工業製品とか建築とかを切り取り、その美しさを通じて人の営みを語る感じ、本当にごちそうさまです。

大き過ぎる写真は全体を把握することができないから、なんだかそれが写真なのか絵なのかなんなのかわからなくなってくる。特に今回気に入った《バンコク Ⅱ》は、水面の模様と広がる油とゴミとで美しいテクスチャーを形成してるようになっていて、更に縦構図であるために絵画のようにも見えてくる。抽象的な模様で構成されていると思って近づいて見ると、そこにあるのはやっぱり浮いた油やゴミなんかがたくかんあって、とても現実的な川面の写真なんだなと思わせられる。

作品がものすごく精彩

《99セント》という有名な作品がある。ディスカウントショップ内部を少し俯瞰的な位置から撮影した作品なんだけど、棚と柱で綺麗に分断された構図と、カラフルな商品が約2m×3mの画面の中に目一杯ひしめき合う様子は、ポップさと爽快さを兼ね備えているなと思った。

transform-mag.comから写真借りました。これが《99セント》新美にあるものより少し小さい。

そして手前から奥まで棚に並んだ商品が全てしっかり見えるほど精彩な上に、どの位置にもピントが合っている。これが実際の作品を見るとかなり驚くし、だからこそ惹きつけられる。

確かに人が実際の風景を見ている時には脳内補正のおかげて近くも遠くも全部ピントがあってるように見えるし(ピントのことなんかそもそも意識していない)、ある程度視力があれば遠くの細かな字やイメージを認識することも可能だ。でもカメラのレンズは違う。解像感には限界があるし、手前から奥まで全域にピントを合わせることは光学的に難しい。少なくとも今までに見てきた写真作品は、そういった写真としての制約の中で作られたものばかりだったし、観慣れたイメージだった。

そう考えると、グルスキー以外の写真作品よりも、デジタル技術を駆使して合成し修正を重ねまくった彼の作品の方がより僕たちの見ているリアルな景色に近いのかな?という風に考えられる。だからこそ感じられるあの異様さというか不気味さみたいなものもすごく気持ちが良かった。

《ライン川 Ⅱ》が430万ドル

騙し気味なタイトルをつけたので説明をしておくと、厳密に言えば430万ドルの値がついてハイパー話題になった《ライン川 Ⅱ》では無く、今回はエディション違いの小さい作品が来てます。

正直初めて生でグルスキーを観たので、とにかく大きい作品に圧倒され過ぎて、引っ張られ過ぎて、小さなサイズの作品はあまりちゃんと観れてない。だから《ライン川 Ⅱ》も「なんだ小さいのか…」と思っちゃって軽く流しちゃった次第。ということで是非二回目鑑賞時にはたくさんある小さな作品もしっかり観てきたいと思いますね。

図録が高いし意味ない

3500円は高い。あとオリジナルサイズ観たあとに見る図録サイズの作品はマジ意味ないなと思った。というかグルスキー実物見ないとまじ意味ない。

美術館行ったら息を吐くように図録を買うようにしてるので意味ないなーと思いつつも買ったけど、数時間たって珈琲飲みながら見返したら全然意味あるわと思い直した。実物を見た自分にとっては、という意味でね。写真集はあんまり買う気にならないなー。

名称:ANDREAS GURSKY | アンドレアス・グルスキー展
会期:2013年7月3日〈水〉→9月16日〈月・祝〉
休館日:毎週火曜日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
開館時間:10:00-18:00 金曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
主催:国立新美術館、読売新聞社、TBS、TOKYO FM
後援:InterFM
協賛:大日本印刷
特別協力:ぴあ
協力:全日本空輸、Sprüth Magers Berlin London

by shoz718 | 2013-07-29 10:00 | 写真

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