【劇団→ヤコウバス】やみつきになった演劇集団の話【BOTTLE SHIP JOURNEY】

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▲小劇場特有のミニマルな小道具と題字

土日の過ごし方が重要になってきている昨今(個人的に)、映画や買い物、美術館に行くなどのマスなホビーだけじゃなく、小劇場なんかもいいんじゃない?ってことで最近ちょくちょく足を運んでおり、特にドンズバでハマった演劇集団「劇団→ヤコウバス」について書きます。最初に言っておきますがマジで面白いです。

「小劇場」ってのは小さな劇場のこととかそこを拠点に活動する小さな演劇集団の総称ですが、そのニッチさというかマスウケを狙ってない気持ちの良さがまんまと僕を虜にしており、頑張ってTOPCON RE-SUPERを探してまわったときの気持ちに近いように思います。小さな舞台をぐるりと囲む客席には20〜30名も入れば満席という感じの小さな箱で、数名の役者が汗だくになりながらする芝居は、一見の価値ありです。




川名幸宏、港谷順、酒寄拓という若者男性三名による演劇集団。川名幸宏が主に脚本づくり、演出を行い、役者としては三名だけで行ったり、ゲストとして他の劇団から数名招待して行ったりしているよう。自分と同世代っぽいんだけどどう見ても若々しく、学生演劇のニオイを良い意味で残しまくってて勢いを感じます。特に個人的には酒寄拓の演技には毎回度肝を抜かされており、それを分かってか川名幸宏の脚本では毎回キーパーソン的な役回りを任されています。

過去に僕は2つのヤコウバスの作品を観てきました。

一つ目は「第四回公演『嘘と月』」。正直一回目のコレで完全にドはまり。5名の役者が1人10役をグルグル回しながらスピーディーに展開するその展開と、随所に挟まれる上品な笑いは満足度の高いエンターテイメントでした。西村俊彦というゲストアクターが尋常じゃなく面白かった。途中で芝居をぶったぎり、完全に西村俊彦の一人舞台にしてしまう演出も良かった。

二つ目は「番外百鬼夜行二鬼目『Three Piece Moratorium』」。お客さん15人くらいしか入らないんじゃねーの?っていうくらい前回よりも更に小さい箱で行われた三人芝居。彼らが自身がいい年して役者を続ける「モラトリアム」をやや嘲笑気味にフィクション化した作品。随所に実話が盛り込まれ、内輪ネタが満載らしいが、僕には全くどれが実話でどれが嘘っぱちなのかわかりませんでした。しかしながら笑える。そこがすごい。酒寄拓が完全に刺さったのもこの公演でした。部活動特有の鬱陶しい先輩「草野俊平閣下先輩」のモノマネくだりは今思い出しても笑えます。

今回は第五回公演『Bottle Ship Journey』を観てきました

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劇団→ヤコウバスウェブサイトから借りてきました

ストーリーを僕が解説するのもナンセンスなので、フライヤーに記載してあった短文を書いてみます。

ヤコウバス、五回目の旅。
海への旅。水平線の先。
ただ、ただ、この海の先だけを見つめ続けた、
無謀にも儚い、野郎どもの物語。
浜辺の足跡。潮風の歌声。ボトルシップが眺めた景色。
ご一緒できることを願って。
どうか、よい旅を。

コレモンですよ、27歳会社員の僕には絶対書くことが出来ない青臭さがあります。漢字とひらがなの使い分けに共感します。僕らの忘れてることを思い出させてくれます。

内容はとても正統派なストーリーでした。ヤコウバスの3名と、ゲストアクター4名による男だけの青春物語。過去に観た2つのヤコウバスは喜劇的な要素が強かった分とても新鮮で、直球勝負している感じはとても爽快でした。特に主役的な立ち位置のジョーに扮する丸山港都は、開始直後に観客全員を一気に引き寄せるとても「正しい役者」という感じの素晴らしい演技を観せてくれていました。「こういう人が将来大きな舞台に立ったりテレビに出たりするのか・・・」と、勝手な想像をしてしまうほどでした。とにかく、良くも悪くも非常に「正統派」な舞台だったなというのが大雑把な感想です。

激プッシュの酒寄拓は今回も引きこもりのキーパーソンであり、各場面でストーリーを展開させる重要な役割を担っていました。会合のシーンで彼が長い溜めの後に手を挙げる演技は鳥肌モンでした。がしかし、というか、過去に観てきたスピーディーな喜劇に比べて「正統派」な分、もっとぶっ飛んだ彼の演技を見たかったな、という若干の物足りなさを感じているというのは正直な感想です。

番外百鬼夜行二鬼目『Three Piece Moratorium』で初めて観た港谷順は前回に比べて随分良い芝居をしていました。先に登場した丸山港都的というか、彼もかなり「正統派」で、表情もおおぶりなジェスチャーも、見ていて本当に気持ちが良かったです。しかしながら、7名の役者がそれぞれキャラ立ちする中、港谷順だけは(ボトルシップを作るという重要な役割を与えられているものの)なんとなくキャラクターが薄いなという印象でした。もっと『Three Piece Moratorium』の時のような勢いのある芝居が見たかったな、とも思いました。

過去の2作品とは趣が違っているぶん、役者勢の演技も印象が違い正統派お芝居という感じで、全体を通して見ていて気持ちが良いという印象を受けます。どうも僕は役者の芝居の良し悪しばかりに目が行ってしまうようで、あまりストーリーのディテールや話の展開にはこれまで言及してきませんでした。それだけ過去作には勢いと笑いと感動があったということだと思います。しかしながら今回は何度も書いているように「正統派青春ストーリー」であり、どうしても話しの展開やディテールに目が言ってしまいます。西村俊彦扮する隊長が思いを馳せるみかんちゃんについては、前半で投じられた伏線がうまく回収されていないように思うし、ジョーが最後に放つ拳銃の弾は何に向けられ何を破壊したのか、イマイチ掴めませんでした。

役者の演技は今回も最高でした。西村俊彦にはまたも一人舞台の時間が与えられており、幸運にも僕がその場でリクエストした「吉田鋼太郎扮するなんちゃらかんちゃらが野村萬斎分するなんちゃらかんちゃらに100円くれと嘆願する場面のモノマネ」というウルトラ面白いネタも観ることができました。ディテールが気になる箇所は多々あるものの、珍しく描かれた正統派青春ストーリーは新鮮で楽しませてもらうことができました。ただ一つ、毎回思うんだけど、ヤコウバスの舞台は、とても長い。今回は120分。正直映画でも120分を越える作品となると相当面白くない限り、その尺の長さだけで悪評が付きかねない。90分くらいで凝縮して欲しかったな・・・という思いを禁じえません。

次回以降もヤコウバスの舞台は観に行きます。気になった人は是非一緒に行きましょう。
色々書きましたが、もう一度最後に言います。マジでめっちゃ面白いです。

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by shoz718 | 2015-03-08 22:44 | ちょっと出かけた

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